それでも否定しますか?

ちょっとした間違いを話の腰を折ってまで、
否定する友人が、かつて何人かいました。
例えば学校の帰りに、
「マックでチキンナゲット食べようぜ!たしか250円だしさ」
「いや違うよ。チキンナゲットは260円だろ。だって俺この前見たもん。
そのとき260円って書いてあった。だから、250円じゃない。260円。」
なんだかもう、行く気を無くすほどの否定でした。
はたまた新人サラリーマンの頃、同僚とランチへ行くとき、
「飯行こうぜ!おとといくらいに食べた蕎麦屋に行かない?」
「いや、おととい食べたのは中華だろう?蕎麦は食べてないよ。
ニラレバ食べながらjavaについて話したやん。だから中華だよ。おとといは。」
なんだかもう、食欲を無くすほどの否定でした。
私はどんなに確信があっても、
否定することでその人の気を悪くしてしまうので、
このようなどうでもよい間違いならば、否定しないでおこうと生きてまいりました。
しかし、昨日ついにその掟を破る場面が来てしまったのです。
それは大学からの親友と山へ登った帰りでした。
彼は登山地図で有名な「山と高原地図」を手に持って言いました。
「このシリーズ全部集めたいな!」
「いいね!全部でいくらかかるんだろうね?」
「えっと、全部で59種類、一冊945円だから、、、
全部で約4万5千円だね!」
、、、なんということでしょう。
恐らく、50×900と計算したに違いないのです。
945円を900円にするのはまだ良いとして、
59を50としてしまうのは切り捨て過ぎだろう。
ここは60×900で約5万4千円前後と計算するべきではないか。
「4万5千円か~それだけあったら良い登山靴買えるね!」
そんな時に限って友人の目は澄んだ瞳になってます。
もちろん一点の曇りもございません。
約5万4千円くらいだと言いたくとも、それは困難です。
澄み切った蒼い湖にゴミを投げることができないように。
「まあ毎年1万円分買えば、4年と半年でそろうしね!」
いや5年と半年なのですよ。もう1年多くかかるよと言ってしまったら、
せっかく集める気になっている友人の気持ちを
折りかねない事態に発展してしまいます。
言うべきかどうか悩んでいるうちに、別の会話になってしまい、
いまさら、
「さっきの登山地図、全部集めたらたぶん約5万4千円じゃないかな、、、」
なんていうのは、ひどくつまらない人間のような気がして、
私の心は、もやもやのもんもんのまま帰路に着いたのです。
やはり4万5千円ではないよ、と
言った方がよかったのでしょうか?
地図を集める事を幸せそうに想像している友人に、
計算が間違っているなんて言えないじゃないですか。
あなたでしたら、その時---
それでも否定しますか?
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